Q4.iDeCoとの併用、どう考えていくべき?(優先順位、配分など)

投資の非課税制度を考える際、NISAとよく比べられるのがiDeCoという制度。

iDeCoは、正式には「個人型確定拠出年金」と言います。すごく難しそうですが……言葉をひも解いていくと、意外とカンタン。「個人でできる、拠出額(運用する額)が決まっている年金制度」という意味です。もっとざっくり言うと、「自分の力で、老後のお金をつくる」ためのものです。そしてNISAもiDeCoも、運用益が非課税になるという点は同じ。では、大きく異なる点はどこにあるのでしょうか。

iDeCoには、NISAにはない超強力なメリットがあります。それは、掛金全額が所得控除されることです。iDeCoで拠出した分は、まるまる所得から引かれる……例えば所得税率20%の人が年間10万円をiDeCoに拠出すると、払う税金が2万円も少なくなります。実際は自分で自分の資産をつくっているだけなのに、払った分を所得控除できる。これが、iDeCo最大のメリットです。

これだけ聞くと、NISAよりもiDeCoの方が良さそうな気もします。しかし、iDeCoには大きなデメリットが……。それは、拠出したお金を60歳まで引き出せないこと。所得控除という強力なメリットと、流動性。つまり、“お金の自由度”を天秤にかけるような制度設計になっているのです。

したがって、そもそも「NISAとiDeCo、どちらを選ぶべき?」という質問に対しては、「考え方や人生設計による」が答えとなります。

老後まで何があるかわからないし、いつでも現金化できる方が安心! という人はNISAを使う。60歳まで現金化できなくても良いから、とにかく税制メリットを最大限に受けたい! という人はiDeCoを使う。そのどちらでもない人は、考え方や生活に応じてNISAとiDeCoを併用する。

2つの制度のメリット・デメリットを比較し、より自分に合う道を選んでいただければと思います。