不動産鑑定士の福田伸二さんが皆さんの不動産リテラシー向上のために展開してきたこの連載。最終回では、最近注目を集めている「不動産小口化商品」について解説してもらいます。不動産投資の新しい選択肢でもあるこの商品、一体どんなものなのでしょうか。今、話題の投資を、プロの目線でお届けします。
今話題の「不動産小口化商品」とは?
前編【4きょうだいで実家の相続をめぐり骨肉の争い…きっかけとなった「姉の一言」とは】では、残された不動産をめぐり、思わぬ相続争いに発展したケースをご紹介しました。今回は、こういった相続トラブルを防ぐためにも有効な「不動産小口化商品」をご紹介したいと思います。これは、複数の方でお金を出し合って不動産を購入し、運用で得られた利益を出資割合に応じて分配するというものです。運用期間は決まっていて、最後には不動産を売却し、売却益も出資した割合に応じて償還させて終了という仕組みになっています。
実は小口化不動産自体はバブルの時代からあります。不動産が高くなると「共同で買いましょう」ということで、浮上してくる商品ですね。最近は相続の基礎控除の減少や、不動産価格の高騰で、相続税がかかる方が増えており、そういった方々にも選ばれています。いろいろなタイプの商品があり、1万円から投資可能な商品や、中にはスマートフォンで簡単に投資できる商品もあります。ただ、利用する上で注意点もありますので、デメリットもお伝えしながら解説したいと思います。