デメリットはどんな点? 事業者の倒産リスクにも注意
そう考えるとよい面ばかりのような気がしますが、当然ながら、不動産小口化商品にもデメリットはあります。一つ目は元本・分配金の保証はない点。これは投資なので、当然ですね。二つ目は、運用期間途中において換金性に乏しいこと。ただ、任意組合型の場合は、途中で売却できる商品も多くなってきています。ですから、今はあまりデメリットではなくなってきています。
三つ目は事業者の倒産リスクです。特に匿名組合型の場合は不動産会社に投資するので、会社が倒産すればゼロになってしまいます。匿名組合型のリターンが総じて高いのは、このリスクも一つの要因です。ただ、これも任意組合型の場合は事業者から組合に不動産の所有権が移っているので、これを売却すればお金は戻ってきます。ですから、事業者の倒産リスクも任意組合型ではそこまでデメリットではありません。
もちろん、任意組合型でもリスクはあります。まず、しっかり投資する物件を見極めなければ収益は見込めません。小口化商品の場合は住居用物件でなく、オフィスビルなどもたくさんあります。そういったものになると、一般の方にはほぼ商品の良しあしが判断できません。ですので、購入の際は、収益不動産を得意としているプロに相談して慎重に選んだほうがよいですね。
小口化することで“争族”を防げる
ここまでのご説明は投資としてのメリットなのですが、相続争いを防ぐ面でのメリットも大きいです。不動産小口化商品を活用すると、遺産分割を簡単かつ公平に行うことが可能です。
任意組合型の商品は1口100万円で5口以上、10口以上といった形で購入できる商品が多いのです。生前にこれを買っておいていただければ、お父さま・お母さまが亡くなった時に、お子さんたちに口数で公平に分けることができます。現物の不動産は切り分けられないことで、相続の際に争いが起こります。しかし、投資対象として小口化していれば、遺産相続もスムーズに行えるのです。