②最終手段として「資産の入替」を行う

払う金額を少しだけ減らす方法、それが、二つ目の手段である「資産の⼊れ替え」です。資産を買う目的は個人のスタンスによって様々ですが、私の場合は主に3パターンに分類しています。

①資産を増やす投資=株式型の投資信託
②資産を守る投資=分散型の投資信託
③今を楽しむ投資=優待狙いの株式

例えば積極的に資産を増やしたい⼈であれば、①を60%、②を20%、③を20%……など、⽬的に合わせていろんな商品を買うことができます。

ところで、この①〜③の投資。最も利益が出やすいのは、どのパターンでしょうか。答えは当然、①の投資です。「資産を増やすため」の投資なので、期待リターンは⾼くなります。そこで、例えば

①資産を増やす投資:1000万円
②資産を守る投資:400万円
③今を楽しむ投資:400万円

と、新NISA枠の【1800万円】を使い切った⼈。この⼈がさらに「資産を増やす投資」をする場合、どうすればいいのでしょうか。その答えは、「②や③の資産を新NISA口座から売る+新NISA口座で、新たに①の投資をする」という⾏動です。少しややこしいので、詳しく説明していきます。

まず、「②資産を守る投資」や「③今を楽しむ投資」は、そもそも利益が出にくい。なので、もし課税⼝座(NISA制度の外、税⾦がかかる口座)に⼊れていても、そこまで⼤きく税⾦は発生しないことが多いのです。

⼀⽅、「①資産を増やす投資」は話が別です。資産の値上がりを狙うので、たくさん利益が出れば、その分税⾦もガッポリ取られます。したがって、優先的に新NISAに⼊れるべきは「①資産を増やす投資=株式型の投資信託である」というのが結論です。

新NISA枠がいっぱいになりそうなら、このような期待リターンが高い商品を優先的に⼊れる。逆に、それ以外の商品はNISA枠の外で運用する。少しでも節税効果をアップしたいなら、このような細かい⾏動が効いてきます。

注意点

相場全体が⼤きく下がる局⾯では、この⾏動が裏⽬に出るケースもあります。その理由は、NISA口座では損益通算ができないからです。

NISAを使わず投資した場合、損失と利益を合算して「今年はプラマイゼロでした」と申告し、税⾦を抑えることができます。しかしNISA制度で投資した商品は、この損益通算ができません。つまり、NISA内で損が出ても、利益との相殺ができない、というデメリットがあるのです。

利益が出れば、まったく関係のない話ですが……このデメリットも理解した上で、ぜひ有効にNISAを活用していきましょう。