持株会とは、とてもよくできた資産形成制度

それでは今回の振り返りです。

まずは長期・積立投資の本質と言いますか、持株会の仕組み自体が回復力のある投資だと、だから長く続けられることを確認しました。

そして奨励金。預金金利と比べると水準自体も魅力的ではありますが、その本質は「安く買う」ことが誰でもできる、ということでしたよね。

もう一つは配当金の再投資。複利の効果と相まって、資産形成に大きな役割を果たしていた、そんなふうに配当金の魅力を見直していただけたかと思います。

以上を踏まえると、持株会とは上場会社にお勤めの現役世代の皆様にとって、とてもよくできた資産形成制度なのだと思います。

最後に一言。

ここまでご説明して、金融リテラシーとしての持株会の仕組みをご理解いただいた上でも、「分散投資という観点からは、勤め先の株式ばかり保有するのはリスクを感じます」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

確かにそうですね、おっしゃっていることを否定するつもりはありません。

でも、そんな方にはもう1つの投資の大原則、「将来的に価値が上がると思うものに投資する」、ここに立ち返ってみてはどうですか、とお話しします。

そして、将来的に価値が上がると考えているから、あまたある企業の中から、今、その会社で働いていらっしゃるのでしょう。

持株会が投資するのはお勤め先の株式ですから、投資先としては議論の余地なく「投資の大原則」に従っている、そんなふうに考えられるのではないでしょうか。

以上、今回の記事が上場会社にお勤めの皆さまが資産形成の選択肢、持株会のことを本質的に理解する、そんな一助となれば幸いです。