毎月1万円の積立に、奨励金10%を加えると…

次に持株会の魅力とも言われる奨励金の効果を確認してみましょう。

例えば、奨励金を10%とすると、積立額の400万円に40万円の奨励金が上乗せされることになります。そして資産評価額も696万円、奨励金以上に上乗せされていることが分かりますよね。

筆者作成

もちろん、この奨励金は持株会によって異なります。でも、どんな水準であれ、今の預金金利の水準と比べると、お得な仕組みであることがお分かりいただけるでしょう。

さらにもう少しだけ、投資の観点から「奨励金の本質」みたいなことを考えてみましょうか。

例えば、今回のケース、奨励金が10%ですから、毎月、給与天引きで10,000円を拠出して、奨励金とあわせて11,000円分のTOPIX株式を購入する、ということになります。

もっと簡単に言えば、11,000円のモノが10,000円で購入できるってことですよね。つまり、持株会であれば、常に株式が安く買える、ということなのです。投資の大原則は「安く買って、高く売る」、そうすれば儲かる、ということですが、奨励金があるということは、この大原則の前半部分、「安く買う」ことが誰でもできる、これが投資の観点で考えた場合の奨励金の本質だと、そんなふうに思います。

さらに、配当金の再投資効果を加味すると…

そしてもう一つ、持株会では配当金を再投資するという仕組みがあります。

この再投資効果を加味すると、積立額はさらに145万円も上乗せされることになりました。

筆者作成

先ほど確認した奨励金、10%という水準はたしかに高いと思います。でも、奨励金は拠出金額に対してつくもの。そのため、常に拠出金の10%にしかならないのです。

一方、配当金は持ち株数に応じて割り当てられるものなので、持ち株数が増えれば増えるほど、配当金として割り当てられる金額が増えていく、ということになるのです。

利子にも利子がつく、雪だるま式に増えていくのが複利ですよね。

実は持株会の配当金も、増えた株数をもとに配当金がついて、さらにその配当金で増えた株数をもとに次の配当金が計算される、雪だるま式に配当金が増えていきます。

つまり、この配当金再投資という持株会の仕組みには複利の効果が働いている、と言えるのです。そして、資産評価額も962万円、実は持株会を長く続けると、配当金の再投資効果が大きくなること、つまり、複利の効果が実感できるのです。