バブル崩壊後、TOPIX(東証株価指数)のパフォーマンスは…

それでは早速、これまでの投資環境を振り返ってみましょう。

例えば皆さんが、日本のバブル崩壊のタイミングで社会人になったとしましょうか。

その後、日本経済は良い時期もあれば、悪い時期もありましたが、バブル崩壊のタイミングというのは、投資環境という意味では、一番悪い時期に投資を始めてしまったと、そんなふうに言えるかと思います。

筆者作成

バブル崩壊の象徴的な数字と言えば日経平均株価、1989年末の38,915円が今でも最高値ですね(終値ベース)。

これはTOPIX(東証株価指数)でもだいたい同じ、今年の4月末でも1989年末の2,881ポイントを約29%下回る水準です。

まさに失われた30年と言われる、投資環境としてはそんなことが確認できるわけですが、でも、持株会だと違った景色が見えてきますよね。

持株会の投資経験として、確認してみたいと思います。

TOPIX株式会社に毎月1万円を積立すると…(1990年1月~2023年4月)

例えば、日本を代表する企業という意味で、TOPIX株式会社の持株会に加入して、1990年の1月から毎月1万円の積立をすると、2023年の4月でちょうど400万円になります。この資産評価額が実は632万円になっているのです。

筆者作成

TOPIX自体は元の値段に戻っていないのに、持株会だと儲かっている。これはまさに積立投資の効果ですよね。

毎月、同じ金額で積立投資を続けると、値段が安い時にはたくさん買って、値段が高い時には少なく買う、これを繰り返すことで平均的な買付単価が引き下がり、元の値段に戻らなくても儲かっている、ということなのです。

言ってみれば、積立投資とは回復力のある投資であり、だからこそ、長く続けられる、ということでもあります。