ローンを放置していないかもう一度見直す

一方で、ローンの借り換えに関しては、メリットがあるなら積極的にやったほうがよいですね。いまは上がってきたとはいえ、超低金利といわれるほど金利の低い時代です。金利が高い時に住宅ローンを組んでそのままにしている方も多いので、借り換えは積極的に検討してほしいと思います。

金利2%くらいの時に買った方はローン残高も減ってきていてリスクも減少しているので、変動金利に借り換えるというのもありだと思います。銀行の借り換えの商品などが新しく出てきたら、チェックしていただいたほうがいいですね。

ただし、ローン残高が1000万円を切るのであれば、トクをする金額よりも手数料のほうが高くなってしまうので、借り換えはおすすめできません。諸費用まで入れた総額を比べていただいて、しっかりメリットが出るかどうかを判断して、借り換えを検討してください。

「終の棲家」の時代は終わり。マイホームも売却を意識して

今回は、住宅ローンに関するさまざまな疑問について解説をしました。最後に、注意していただきたいのは、これからの時代は自宅とはいえ、将来の売却を意識したほうがよいということです。自宅を購入する時も、「次に売れるかどうか」は、慎重に考えたほうがいいですね。

例えば戸建てを購入しても、お子さんが結婚して出られたりすると、夫婦で戸建てに住み続ける必要はなく、売却してマンションに住み替えるなど、ダウンサイジングしていくほうが合理的ですよね。その時に「売れる物件」ではなかった場合は、住み替えたくても住み替えられずに、元の家に住み続けるしかありません。

特にこれからの時代の不動産は、売れる物件・売れない物件で二極化が進みます。すでに「自宅が売却できない」悩みはよく聞きますが、もっと売れない時代がやってきます。今後、不動産価格が上がり続けるとは考えづらい状況です。特に地方などでは、値段がつくうちに売却しておくことをおすすめします。

不動産投資では必ず「出口」を意識しなければなりません。しかし、これからの日本ではマイホームも「出口」を意識する時代です。購入前に物件の価値を見極め、迷う場合は専門家に査定を頼むなどして、後悔しない家選びをしていただきたいと思います。