今注目の書籍の一部を公開して読みどころを紹介するシリーズ。今回は、NISAとiDeCoの基本知識やおすすめ商品、賢い運用方法等について解説した篠田尚子氏の『【2024年新制度対応版】NISA&iDeCo完全ガイド』の一部を特別に公開します(本記事は後編)。著者本人が同書を解説する無料セミナー情報も!

●前編:「老後資金は自分で準備」という国の方針を批判する人が知らない“世界の状況”

※本記事は篠田尚子著『【2024年新制度対応版】NISA&iDeCo完全ガイド』(SBクリエイティブ)から一部を抜粋・再編集したものです。

NISAとiDeCoって、本当に危なくないの?

「投資=自分の資産が減る可能性がある危険を伴う行為」

このようなイメージを持っている人が多いようです。

あくまで投資なので、もちろん損をする可能性はゼロではありません。

ただ、「損をする可能性」という点において、iDeCo やNISAの制度に不安を覚えるのであれば、過度に心配する必要はあまりないといってもよいでしょう。というのも、米国やイギリスですでにインフラと化している事実からもわかるように、両制度には、投資初心者が過度なリスクを取ることのないよう、各種の工夫が凝らされているからです。

1つは、選択可能な商品の範囲です。

iDeCo は、運営管理機関によって、長期の資産形成に適した商品が、理由とともに選定されています。

NISAも、リスクが高い商品は対象外になっています。商品に関する知識が決して豊富でない投資初心者がハイリスクな商品を選んでしまうことがないよう、最初から選択肢には一定の条件が設けられているのです。

もう1つは、半ば強制的に積み立て投資を強いられることで、自然と時間分散が実現できるという点です。

iDeCo もNISAも、長期にわたり積み立て投資を行うことを前提とした制度です。投資に充てる時間を十分に確保できるなら、損失を被るリスクを低減できる積み立ては、有益な投資方法なのです。制度の詳しい内容については後述しますが、特にiDeCo の場合は、制度設計上、60歳まで資金を引き出せないため、長期投資に専念することが得策といえます。NISAは途中で資金を引き出すことができるものの、原則は、無理のない金額でコツコツ積み立てを続けることです。「そんなのカンタン!」と思う人が多いと思いますが、積み立てを続けるというのは意外と忍耐が試されるものなのです。