受け取りタイミングと受け取り方法は50代のうちに考えておく

iDeCoの受け取り方法は一時金以外に年金があり、年金で受け取る場合にも公的年金等控除という税金がかからない枠が適用されます。iDeCo以外の一時金で退職所得控除は使い切ってしまいそうなのであれば、iDeCoは年金受け取り、または年金と一時金を組み合わせて受け取るということも税負担軽減の面からは有効です。つまり、iDeCoだけでなく、公的年金を含めた年金・退職金全体で受け取り方法を考えるという必要があります。

これは税の面だけでなく、60歳以降の暮らしにおいて必要な時に必要な額を充当する老後資金として有効な形で受け取り方を考える上でも大切な点です。さらに最近は、65歳と言わず70歳まで働く人も増えていますから、生活費として必要になるタイミングも額も人それぞれ、自分のケースで情報を整理し、解を見つけなければなりません。

慣れない情報を集めることを考えると50代半ばを超えたら、受け取りについてプランニングしておくことが大事です。というのも、公的年金を含めて受け取りのタイミングや方法が選べる退職金・年金の受け取りについてはいったん受け取り手続きをすると、受け取りのタイミングや方法を取り消し、訂正ということができないからです。選択をすることが可能となる60歳には、ある程度受け取り計画を持っておくことが必要です。

受け取り計画、受取パズルの手順

1.    自分がもらえる退職金・年金の額と、受け取り方法の選択肢を知る
2.    生活費・住宅ローンの返済などを含めて毎年の必要額を把握する
3.    受け取るタイミングや方法が決まっている退職金や年金で必要額がどのようにカバーできるか俯瞰してみる
4.    埋まっていない必要額を受取の選択肢のある退職金や年金で埋める
5.    最後に、空いている部分をiDeCoで埋める

私はこの受け取り計画の作業を受取パズルと呼んでいます。必要なところに、もらえる年金や退職金を置いていく作業がピースを埋めていくパズルに似ているからです。そしてこれらのピースのうち最も受け取りのタイミングや方法を誰でも自由に選択できるのがiDeCoです。他の退職金や年金では埋まらない部分をiDeCoで最後に埋めていくと考えると、iDeCoのベストの受け取り方法が見えてくると思います。

50代のうちに受取パズルをして自分の老後収入の全体像が見えていれば、60歳以降のお金の不安が消え安心感が生まれます。きっとそれは、60歳以降のチャレンジな働き方・心豊かな暮らし方に一歩踏み出す勇気にもつながりますよ。おススメです。