会社員にとって退職金は、年金とともに老後の生活を支える重要な資金です。

定年を間近に控えた人が退職金をいくらもらえるのか知らないとすれば、「退職金で住宅ローンの残債を一括返済したい」とか「退職金で家をリフォームしたい」、あるいは「退職金を元手に投資をしたい」といったプランも、ただの夢物語でしかありません。

そこで今回は、自分の会社の退職給付制度の調べ方と、各制度別のチェックポイントを説明したいと思います。

退職金を調べるなら必ず確認すべき“あるモノ”

勤め先の退職給付制度を知りたいと思ったら、まずは会社の「就業規則」を読んでみてください。就業規則とは、労働時間や賃金といった労働条件や待遇の基準、人事・服務規律といった会社のルールが定められた文書のことです。

パートやアルバイトを含む常時10人以上の従業員を雇用する会社は、就業規則を作成する義務があります。そして、退職金や企業年金の制度がある会社は、就業規則の中に退職金や企業年金に関する事項が書かれています。会社によっては、就業規則とは別に退職金規程を作成している場合もあります。

就業規則や退職金規程は、従業員なら誰でも読めるようになっています。会社によって異なりますが、書面での交付、社内の見やすい場所への掲示といった方法のほか、従業員がいつでも閲覧できるよう書面をデータ化し、社内のweb上にアップしている会社もあります。

「そういえば、昔読んだことがある」という人も、最新の情報を確認することをおすすめします。会社の制度は、法改正や時代の流れに合わせて新しくなっている可能性があるためです。

退職給付制度は従業員の過半数が加入している労働組合があると、労働組合の同意によって制度が変更できます。制度が変わった時のお知らせの内容をきちんと確認していなかった人は、改めて退職金規程をしっかり読んでみてください。