退職金規程で分かる3つのこと
退職金の支給は、会社の義務ではありません。退職給付制度を導入するか否かはそれぞれの会社の自由です。ただし、制度を導入した場合は、就業規則の退職金に関する事項、または退職金規程に次のようなことを定めなければなりません。
①適用される労働者の範囲
②退職手当の決定、計算及び支払いの方法
③退職手当の支払い時期
これらの内容は会社によって異なりますが、3つのポイントが把握できます。
1.自分が支給対象かどうか
例えば、厚生労働省が公開している「モデル就業規則」(令和4年11月版)では、①の「適用される労働者の範囲」は、次のような例になっています。
この条項に書かれている例のように、ほとんどの企業は、退職金を支給する対象について「勤続〇年以上」といった要件を設けています。会社員には、入社から定年まで同じ会社で働き定年を迎える人もいれば、中途採用や転職で勤続年数が短い人もいます。
まずは自分が退職金の支給対象になるのかをしっかり確認しておきましょう。
2.退職金の計算方法
次に②の「退職手当の決定、計算及び支払いの方法」ですが、モデル就業規則では次のような例が紹介されています。
前回の記事【「自分の退職金の額を知らない人」がマズい理由…まず何から調べるべき?】でも紹介しましたが、退職金(一時金)には、さまざまな計算方法があります。主な計算方法は「ポイント制」「賃金連動制」「別テーブル制」「勤続年数比例制」などです。
「モデル就業規則」は、退職または解雇の時の基本給と勤続年数に応じて算出するタイプ(賃金連動制)を例にしています。自分の会社がどんな計算方法を導入しているのか、確認してみましょう。
3.いつ退職金が手に入るか
最後に③「退職金の支払い時期」についてです。こちらはモデル就業規則では下記のような例があげられています。
退職金の支払時期は、会社によって自由に決められます。そして多くの場合、定年退職者本人が指定する銀行などの金融機関の口座に振り込まれます。「一体いつになったら手に入るんだろう……」とモヤモヤしないためにも、支払い時期を前もって確認しておくとよいでしょう。