定年まで約10年――いよいよ“リタイア”も見えてきたけれど、この先の仕事、お金の準備は十分だろうか? そんな不安を抱える50代は少なくないようです。

話題の書籍『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』では、そんな不安に寄り添うべく、米国公認会計士の午堂登紀雄氏が、今こそ知っておくべき“人生後半をごきげんに過ごすお金との関わり方”について分かりやすく解説しています。今回は本書第1章『人生100年時代に備えよう』、第4章『投資と上手につき合って「壁」を越える』の一部を特別に公開します。(全3回)

●第2回:なぜローンでベンツを買う? お金持ちが実践している“そろばんのはじき方”

※本稿は、午堂登紀雄著『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

iDeCoは最強の老後対策のひとつ

歳を迎えて「NINJA」になる人が急増するといわれています。ここでいうNINJAとは「忍者」のことではなく、「No Income,No Job or Asset」、つまり収入も仕事も資産もないことを意味します。

年金支給開始年齢も70歳への引き上げ説が出ているなど、無策のままで老後に突入すると、かなりしんどい状況になりかねません。

その対策の中でも有力な方法のひとつが日本版401kともいわれる「確定拠出年金」です。「確定拠出年金」は「DC(=Defined Contribution pension plan)」という略称で呼ばれています。本記事でも以下DCとします。

次に、DCには「個人型確定拠出年金=個人型DC」と「企業型確定拠出年金=企業型DC」の2種類があります。

「iDeCo(イデコ)」という呼称を耳にする機会が増えましたが、これは2016年秋、厚生労働省が公募して決めた個人型DCの愛称です(individual-type Defined Contribution pension planだそうです)。

「企業型DC」は制度の導入を決めるのが「企業」ですので、ここでは主に個人が自由に加入できる個人型DC、つまりiDeCoを念頭に解説します。