パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(旧:ドン・キホーテHD)の株価がV字回復しています。大幅な減益だった2022年6月期第1四半期の決算などから売りが集まりますが、通期では増収増益を果たしており、株価もおおむね元の水準まで回復しました。
【パン・パシフィック・インターナショナルHDの業績】
売上高 | 純利益 | |
2021年6月期 | 1兆7086.35億円 | 537.34億円 |
2022年6月期 | 1兆8312.80億円 | 619.28億円 |
2023年6月期(予想) | 1兆9200.00億円 | 620.00億円 |
※2023年6月期(予想)は同第3四半期時点における同社の予想
出所:パン・パシフィック・インターナショナルHD 決算短信
【パン・パシフィック・インターナショナルHDの株価(月足)】
パン・パシフィック・インターナショナルは、収益性と市場評価の高さから「JPXプライム150指数」に選ばれています。パン・パシフィック・インターナショナルはどのような企業なのか、歴史と事業内容を押さえましょう。
「泥棒市場」からスタートした総合小売グループ
パン・パシフィック・インターナショナルは安田隆夫(やすだ・たかお)氏が1978年に29歳で創業しました。当初は主に企業倒産にともなう金融処分品を販売する業態でスタートします。わずか18坪の店舗に付けた名前はなんと「泥棒市場」。由来は「とにかく目立ちたかったから」、また「店名看板のスペースが小さくて、せいぜい四文字しか入らなかったから」というものでした(引用:安田隆夫『安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生』文春新書)。
同社の看板ディスカウントストア「ドン・キホーテ」は、1989年に1号店が誕生します。泥棒市場時代に培った商品を高く積み上げる「圧縮陳列」や手書きのPOPを大量に貼り付ける「POP洪水」など、ユニークな売り場づくりが顧客を呼び大きく成長します。1996年には株式の店頭登録、1998年には上場を果たしました。
その後も成長は止まらず、2007年に長崎屋を買収し総合スーパー(GMS)事業へ進出したほか、2013年に日本アセットマーケティングを子会社化しテナント賃貸業も強化してきました。2019年6月期には初めて売上高が1兆円を突破し、ドン・キホーテ1号店の出店以来33期連続で増収を果たしています(2022年6月期)。
【セグメント業績(2022年6月期)】
売上高 | 営業利益 | |
ディスカウントストア事業 | 1兆3274.51億円 | 722.30億円 |
総合スーパー事業 | 4295.98億円 | 145.79億円 |
テナント賃貸事業 | 595.58億円 | 103.66億円 |
その他事業 | 146.73億円 | -84.27億円 |
出所:パン・パシフィック・インターナショナルHD 決算短信