さらに、介護はいつ始まるかわかりませんから、日頃から基本的な知識は得ておいた方が慌てずに済みます。そのためのポイントは次のようなものが挙げられています。

ポイント1:介護保険制度・介護サービス、両立支援制度の概要を把握しておくこと。

ポイント2:介護に直面した時にどこに相談すればよいか、その窓口を知っておくこと。

また、介護を受ける可能性がある人(親だけでなく、配偶者やその他親族もあり得ます)について、生き方の希望や生活環境や経済状況、周囲の環境や地域とのつながり、健康状態を整理するためのシートも用意されています。この中では兄弟姉妹の状態も整理できる、いざ家族の介護が必要になった時にどのように助け合えるかを想像できるようになっています。また、住んでいる地域の地域包括支援センターについても調べることになっています。

近年では、親や配偶者であってもお互いの情報が得にくくなっていて、例えば銀行口座ひとつとっても、通帳やカードの発行がない場合は、口座を持っていることがわかりません。きっかけは難しいですが、年齢の節目などでお互いに情報を共有したり更新したりすることは大事でしょう。

両立のために

次の日の通勤電車で、介護と仕事の両立についていろいろ調べてみると、大輔さんの気持ちも落ち着いてきました。そういえば、同期会で何人かが介護のために休暇を取得した話をしていましたし、会社でも何度か介護保険制度や介護休業についての勉強会があったように記憶しています。これまでは関心がなく勉強会には出ていませんでしたが、人事の担当者に相談して、利用できる制度について聞いてみようと大輔さんは思いました。

●おひとりさま高齢者は必要な医療が受けられない? 詳しくは【妻の死で近所付き合いが断絶 けがで気付いた「このままではまずい…」】(本サイト記事)で紹介します。