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1914年7月28日、オーストリア・ハンガリー帝国はセルビアに宣戦を布告し、第一次世界大戦が開戦しました。同盟関係などから多くの国々が参戦し、日本も日英同盟からドイツへ宣戦布告します。戦火は瞬く間に世界へ拡大しました。

地球で最初の世界大戦 総力戦で疲弊

第一次世界大戦は、近代兵器が初めて本格的に投入されたことで知られます。18世紀後半にイギリスを中心に産業革命が起こった欧米は工業化に成功しており、戦車や飛行機といった新兵器が持ち込まれました。これらが被害を拡大させた要因の1つだとされています。

戦争は休戦協定が結ばれた1918年11月までおよそ4年3カ月続きました。戦場となったヨーロッパ各国は特に大きな戦費負担が生じ、多くの参戦国でGNP(国民総生産)の数倍もの費用が発生しました。

【第一次世界大戦における主要参戦国の直接戦費】

 

出所:防衛研究所 第1次大戦・シベリア出兵の戦費と大正期の軍事支出

この時期は戦争だけでなく、病気との戦いもありました。1918年ごろから世界的に流行した「スペインインフルエンザ(スペインかぜ)」です。世界人口のおよそ3分の1が感染し、数千万人が死亡したといわれています。

なお、スペインと付されていますが、発生地が同国と特定されているわけではありません。第一次世界大戦の末期に発生したスペインインフルエンザは、戦力の低下を悟られないよう各国で流行が秘匿されました。しかしスペインは参戦していなかったため、広く報道されます。これがスペイン発のパンデミックであるかのように広まり、スペインインフルエンザと呼ばれるようになったといわれています。