外貨三大商品「外貨預金」「外貨MMF」「FX」 おすすめは?
円建てのMMFはマイナス金利の影響を受け全て運用を終了していますが、「外貨MMF」は現在でも取り扱う金融機関があります。「外貨預金」や「FX」のように為替差益が期待できるほか、利子のように金利に由来する収益もあることから、運用の効果は同じようなものとなるでしょう。
【利子または利子に相当する収益】
・外貨預金:利子
・外貨MMF:収益分配金
・FX:スワップポイント(スワップ益)
ただし税金の取り扱いは異なり、以下のように整理できます。
【外貨預金、外貨MMF、FXの税制】
※1.2037年までは所得税×2.1%の復興特別所得税がかかる
※2.特定口座(源泉徴収あり)なら申告不要を選べる
「分離課税」とは他の所得と分離して税金を計算する方法で、給与など他の所得がどれほど大きくても税率に影響はありません。上述した3商品における分離課税の税率は全て20%(2037年までは20.315%)です。分離課税は、原則として確定申告が必要となる「申告分離課税」と、原則として確定申告が不要な「源泉分離課税」に分かれます。
「総合課税」とは、他の所得と合算して税金を計算する方法です。給与など他の所得が大きいほど税率が上昇します。税率は、住民税の所得割部分がおおむね10%、所得税が所得に応じて5~45%であり、合わせて15~55%(2037年までは15.105~55.945%)となります。
3商品では外貨預金の為替差益が総合課税の対象で、一定以上の所得があれば原則として申告しなければいけません。確定申告は「配偶者控除」といった各種の扶養に影響を与える可能性があるため注意してください。一定以上の利益が生じれば原則として確定申告の義務が生じるFXも同様です。
他にも大まかなポイントを以下にまとめました。混同しやすい商品のため、違いに気を付けて選ぶようにしてください。
【外貨預金、外貨MMF、FXの主な特徴】
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。