・わずか1カ月で廃止された“幻のスマホ決済” 大失敗に終わった理由

2023年2月に日本で公開された映画『ワース 命の値段』が話題を集めています。米同時多発テロの被害者を救済する「9.11被害者補償基金」を題材としており、補償額がひとりひとり異なるという難題に挑んだ実在の弁護士が描かれています。

当時のブッシュ大統領は「テロとの戦い」を宣言し、アフガニスタンに侵攻して2カ月で政権を打ち倒しました。しかしテロは終息せず、世界中で頻発するようになります。2005年7月7日には、イギリスで「ロンドン同時爆破テロ」が起こり多数の犠牲者が発生してしまいました。

700人以上が死傷したテロ事件

ロンドン同時爆破テロは通勤時間帯の公共交通機関が狙われました。8時50分ごろに地下鉄の車両で3件の爆発がほぼ同時に起こり、さらに9時47分ごろにはバスが爆破されます。一連のテロで実行犯4人を除く52人が死亡、700人以上が負傷するという痛ましい被害が生じてしまいました。

ロンドンは同月21日にもテロの標的となり、地下鉄とバスが狙われ1人が負傷しています。その後もヨーロッパではイスラム過激思想の影響を受けたと思われるテロ事件が頻発しており、現在も終息する兆しは見えていません。

【ヨーロッパにおける近年の主なテロ事件】

 

出所:公安調査庁 世界のテロ等発生状況

背景にはイスラム教徒の増加があるとみられています。米ピュー・リサーチ・センターは2017年、2016年時点でヨーロッパ人口の4.9%を占めるイスラム教徒は、2050年までに7.4~14%へ増加するとの分析を公表しました(出所:Pew Research Center「Europe’s Growing Muslim Population」)。

もちろん、イスラム教徒の増加が直ちにテロに結び付くわけではありません。公安調査庁はヨーロッパでイスラム過激思想のテロが増加している要因として、習慣の違いによってイスラム教徒が被差別意識を持ちやすいこと、また失業率が高い状況や比較的武器を入手しやすい環境などを挙げています。