米中対立で注目される軍事関連銘柄

米中の対立は今も重要な問題となっています。アメリカは半導体のサプライチェーンから中国を締め出す姿勢を強めており、日本も呼応して2023年5月に半導体製造装置の中国向け輸出規制を強める方針を発表しました。中国もアメリカの半導体大手マイクロン・テクノロジーの製品を規制する措置を講じており、二大国のあつれきは収まる兆しがありません。

米中対立は防衛費の増大にも拍車をかけています。ロシア・ウクライナ問題もあり、2022年に世界の軍事費は3.7%増加しました。アメリカでは700億ドル以上の増加となっており、軍事関連企業には恩恵が期待されています(出所:ストックホルム国際平和研究所 軍事支出データベース)。

【世界の軍事費上位10カ国(2022年)】

ストックホルム国際平和研究所 軍事支出データベースより著者作成

アメリカにはさまざまな軍事関連企業が上場しており、日本より手軽に投資することができます。例えば軍事関連の売上高で世界トップクラスの「ロッキード・マーチン」や、ステルス戦闘機で有名な「ノースロップ・グラマン」などが代表的です。米中の対立が強まれば、これらの企業には追い風が期待できるでしょう。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。