ただし、「任意」だった期間は合算対象期間に
「えっ、だって任意だったのに、そんなの不公平」って声も聞こえそうですね。もちろん国は任意加入期間については、「年金保険料を払った期間」として取り扱ってくれています。毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」をご覧ください。「合算対象期間」という表示がありませんか? そこに記載されている月数がそれです。
合算対象期間は、年金受給要件を満たすためにはとても重要な期間です。なぜならば、将来老齢年金を受給するためには年金保険料を10年以上払わなければならないというルールがあるからです。この受給要件もかつては25年だったので、任意加入があることで老齢年金が受けられないなんてことにならないようにという配慮なのです。
つまり、将来受け取る年金額を増やすために最も有効なことは「できるだけ長い期間保険料を支払うこと」なのです。なんとなく私たちは年金を「もらう」という言葉で表現しがちですが、本来年金は「創るもの」。自分で保険料を払って、自分で創るものなのです。
年金は後からでも“増やす”手段がある!
残念ながら、過去にさかのぼって任意加入期間分の保険料を払うことはできません。払っていない保険料は2年で時効になるからです。
では、年金額を増やすためにはどうしたら良いのか? 60歳以降、国民年金に「任意加入」をして保険料を払うことで過去分を埋め、老齢基礎年金満額を受け取れます。
国民年金の任意加入をしなくても増やせる方法がもう一つあります。「厚生年金に加入して長く働く」ことです。厚生年金に加入している期間は同時に国民年金にも加入していますから、ある意味、自動的に過去分が埋められていきます。さらに厚生年金が上乗せされますから、効率的です。
厚生年金は別名「報酬比例」と呼ばれています。私たちが負担する厚生年金保険料は給与の額に連動しています。そして将来受け取る老齢厚生年金も給与の額に連動しています。実際には、賞与も含めた報酬に連動するので報酬比例と呼ばれているのです。
老齢厚生年金の式は……
厚生年金加入期間中の平均年収×5.481÷1000×厚生年金加入期間
で導き出されます。でもこれまで厚生年金で働いた期間の平均年収っていきなり言われても答えられませんよね。
加えて老齢厚生年金の計算式は平成15年3月までと4月以降で、年収の考え方と掛け率に変更があったので、それも加味しなければなりませんから、自分で計算するのは“絶望的”です。