Q:NISA口座で投信の積み立てをしていますが、すぐに解約したくなります。どのようにすれば長く保有し続けられるでしょうか?

A:自分の投資方針書を作成してみましょう。

NISAは長期の資産形成・活用をうながす制度にもかかわらず、1〜2年程度で解約してしまう人も多いようです。NISAは、保有している投信をいつでも一部または全部解約できる、つまりどんな用途にでも使えることが利点です。

ただ、なんの目的もなく、少し値上がりしたからといって解約(利益確定)したり、値下がりしたため怖くなって解約してしまったりを繰り返していては、長期的な資産形成はできません。できるだけ長く保有し、頻繁に解約しないことが大切です。ところが、現実にはこれがなかなか難しいようです。感情が先に立つと、保有する投信の価格が下がると怖くなってしまいます。

では、どうしたらよいのでしょうか。

きちんとルールを決めて、それを淡々と実行するのがいちばんです。例えば、自分なりの「投資方針書」を作成しておき、不安になったときにはそれを読み返すと効果があります。これはアメリカの著名な投資コンサルタントで『敗者のゲーム[原著第8版]』(鹿毛雄二・鹿毛房子訳、日本経済新聞出版)などの著書があるチャールズ・エリス氏や、投資教育家の岡本和久氏などもすすめている方法です。

投資方針書というとなんだか難しそうですが、要は「自分がどういう目的・方針で運用するか」をまとめておくものです。例えば、次のような内容を決めておくとよいでしょう。

〈投資方針書の例〉
〇目  的:リタイアまでに老後のお金をつくる
〇運用方針:60歳までは積極運用、その後は株式の比率を下げる
〇運用方法:投信の積み立て(iDeCoやNISAを優先的に利用する)
〇配  分:リスク資産と無リスク資産(預金)が半々になるようにする
〇商  品: 積み立てるのはA世界株インデックスファンドとB投信。それとは別に、課税口座で個人向け国債を保有する
〇チェック方法:年に一度、年末に配分と時価評価額をチェックする
〇その他:万一に備えるお金として、生活費の半年分は預金に置いておく

これはあくまでも一例なので、自分のまとめやすい方法で書いておきましょう。投資を始めてから、必要な項目を付け加えたり、見直したりしてもかまいません。結婚などを機に、再度、投資方針書を練り直したという投資家の方もいます。メモ程度でもよいので、ぜひトライしてみてください。

***
 

竹川美奈子著『大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術』(日経BP 日本経済新聞出版)

注目書籍の読みどころを紹介!
【WEBセミナー/本プレゼント】著者・竹川美奈子氏本人が『大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術』を徹底解説

この記事でご紹介した『大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術』について、著者の竹川美奈子さんに解説していただきます。また、セミナーにお申込いただいた方の中から抽選で5名様に書籍をプレゼントします!

セミナー詳細・ご視聴のお申込みはこちら!>>

※オンデマンド配信
※お申込み締め切りは2023年6月21日 23:59