——最後に、直近DC向けにどのような商品が設定されたか教えてください。
新規設定ファンドは、1月から3月にかけて、5本の設定にとどまりました。いずれも三井住友DSが運用するターゲットイヤー型ファンド「三井住友DS・DCターゲットイヤーファンド」になります(図7)。
図7 2023年3月 新規設定ファンド(直近30本、過去2年間) 拡大図表示
当ファンドは新興国を含む国内外の株式・債券・REITの計8資産で運用を行います。それぞれの資産ではベンチマークに運用成果を連動させるパッシブ運用を行いますが、ターゲットイヤーという資産形成の目標時期に向けて、少しずつ株式の比率を引き下げ、債券の比率を引き上げるといった運用を行います。資産形成をスタートしたばかりの若い年代ではリスク許容度が高いため株式による積極的な運用を行い、退職が近づいた年代では逆に資産を守る必要があることから、債券中心の安定的な運用を行う必要がある、という考えに基づいたものです。
ターゲットイヤー型ファンドは退職時期から逆算してファンドを選択することで、これ一本で資産形成が可能であり、投資資金のこまめなチェックが難しい現役世代にとってはうってつけの商品と言えるでしょう。
ターゲットイヤー型ファンドは、DC専用ファンドで40本超ありますが、純資産残高は1,400億円と、3兆円超ある複合資産型の純資産残高と比べるとわずかにとどまっています。直近の資金流入額でも上位15ファンドに1ファンドがランクインしているのみであり、まだまだ大きな資金が集まっているとは言えない状況ですが、メリットも十分にあることから、今後注目を集めることが期待されます。
以上、パフォーマンス動向、資金流出入動向、新規設定ファンド動向について、お話しました。