個人投資家にもできる「金投資」の方法

金投資の方法には、おもに次の4つがあげられる。

1. 金地金・金貨
2. 純金積立
3. 金投資信託・金ETF
4. 金先物取引

それぞれを詳しくみていこう。

1. 金地金・金貨

金地金はインゴット(精製した金を鋳型に流し込んで固めたもの)を指す。また、金貨はオーストラリアのカンガルー金貨、カナダのメイプル金貨などの投資用金貨が代表例として挙げられる。

金地金や金貨などの現物を自身で管理することになるが、これにはメリット・デメリットの両面がある。例えば、現金が必要になればすぐ換金できるが、一方で盗難や紛失のリスクもある。貸金庫などで保管する場合は、その費用もかかるだろう。

2. 純金積立

純金積立は、取扱企業を通じて毎月一定額ずつを金の現物に積立投資する方法だ。

メリットは金地金や金貨を直接購入するよりも少額から始められること。また、一定間隔で同額を自動的に積み立てるので相場の変動に関わらず購入金額を平準化できる。例えば、金価格が高騰した場合は少量、下落した場合は多く買うことで資産全体の購入価格が下がり、元本割れのリスクを減らせる。

この方法では自身で現物保管する必要がなく、一定量積み立てれば現物を引き出すことも可能だ。少しずつ積み立てて、記念日などに現物を引き出すという使い方もできる。

なお、他金融商品と比べて手数料が割高な点に注意が必要である。さらに、現物を引き出す際には手数料が別途かかる場合がある。また、債券や株式などと異なり、利息や配当金といったインカムゲインがない点にも気を付けたい。

3. 金投資信託・金ETF

金投資信託や金ETFのメリットは、プロに管理や運用を任せられること。また、投資信託は100円単位と純金積立より少額から購入可能なため、手軽に始められるのもメリットだ。

もしもリアルタイムでの能動的な取引を行いたいなら、ETFという選択肢もある。ただし、純金積立と異なり現物を引き出せない点には注意したい。

4. 金先物取引

先物取引とは、取引する日付(期日)と価格をあらかじめ約束して行う取引だ。買いの場合は取引日の相場が約束した金額よりも上がっていれば、売りの場合は相場が下がっていれば差額が利益となる。先物取引は市場の価格変動を利用し、利益を狙う取引方法といえる。

先物取引のメリットは、少額の投資でも大きな利益を期待できる点だ。また、純金積立などと比べて手数料も比較的安い。

しかし、大きな利益を期待できる分、損失も膨らみやすい点に注意が必要だ。また、自動的な積立はできないため、長期投資スタイルの投資家にとっては手間のかかる取引方法といえるだろう。

インカムゲインのない金投資だけでは資産の大幅な増加は見込めないかもしれないが、インフレ下においては有効なリスク分散先といえる。一般的に金投資の割合は保有資産の10〜15%が目安とされている。不透明な市場を乗り切るためにも、ポートフォリオへの組み入れを検討してもよいだろう。