投資対象としての貴金属は「金」以外にも

コモディティ投資の対象となる貴金属は金だけではない。工業製品や自動車部品などによく使われる以下のような貴金属にも投資可能だ。

・銀
・プラチナ
・パラジウム

銀は主として工業用製品に使われる金属であり、景気に価格が左右されやすいのが特徴だ。取引価格は2023年2月平均で1オンスあたり22.010ドル。金の価格が1オンスあたり1854.54ドルなのに対し、約1.25〜1.43%程度の価格で購入できる分、参入ハードルの低さもメリットといえる。反面、安価で市場規模が小さいために金よりも値動きが大きく、リスク管理の難しさもある。

プラチナは金よりも高い希少価値を持つ。プラチナといえば宝飾品のイメージが強いが、実際は工業用製品での用途もかなり多い。そのため銀と同様に景気の影響を受けやすく、2008年のリーマン・ショックでは価格が暴落した。また、世界総産出量の約7割を南アフリカが占めており、経済情勢や社会情勢にも価格が左右されやすい。

パラジウムは自動車部品や電子部品などに使われる。2023年2月18日から3月17日までの1ヶ月間の平均取引価格は1440.67ドルと、金と近い価格で推移している。パラジウムの主な産出国は、ロシアと南アフリカ。こちらもプラチナ同様、高い地政学的リスクを含む投資先といえるだろう。