2.子供2人分のジュニアNISA枠の消化

夫婦2人分のつみたてNISA枠を使い切った後、次に私が優先するのが「⼦ども2⼈分のジュニアNISA枠の消化」です。つまり、80万円×2⼈分=160万円。2023年はつみたてNISA枠である80万円(夫婦2⼈分)の投資に加えて、この160万円の枠もすべて投資していきます。

私がジュニアNISAを使って投資するのは、「株主優待狙い」の個別株です。つみたてNISAでは基準を満たした投資信託しか買えませんが、ジュニアNISAでは投資信託だけでなく、個別株を買うこともできます。

正直なところ、優待株で大きく儲かることは少なく税制的なメリットも小さいのですが、優待品を家族で楽しむことができ子どもが投資に興味を持ってくれるという「金融教育」の価値も期待した投資です。これはあくまでも私の計画なので、非課税メリットを最大限に狙うのであれば、やはり収益性の高い「eMAXIS Slim⽶国株式(S&P500)」などを買うのが良いでしょう。

このように、2023年の私の投資計画である「つみたてNISA 40万円×2⼈」「ジュニアNISA 80万円×2⼈」を合わせると、合計で240万円を投資することになります。1年間で240万円の投資は家計的にかなり厳しいものです。

ここで私が使おうと考えているのが、これまで手を付けていなかった定期預⾦です。旧NISA枠は2023年を逃すと⼆度と使うことができないため、これまでコツコツ貯めていた「いざ」というときの定期預⾦の使いどきが、まさに2023年だと確信しています。この貯⾦を切り崩し、今年は何とか家族4⼈分の旧NISA枠を使い切るつもりです。

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なお、⽣活費にまで影響するようなら2023年中に旧NISA枠を無理に使い切る必要はありません。あくまでも、税制メリットだけで言えば2023年中につみたてNISA枠を使い切るべき! という考え⽅です。⾮課税制度の有無にかかわらず、「投資して良いのは余裕のあるお⾦」というルールは必ず守り、将来に備えていきましょう。

■前編:「新NISAは『前準備』が超重要! 知れば得する2023年の動き方」

※本稿は、2023年3月11日時点の情報をもとに執筆しています。

執筆/浅見陽輔

大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科を卒業後、2013年に銀行に就職。10年のキャリアで、投資運用、リスク管理、法人・個人向け融資、システム部門を経験。証券アナリスト、FP2級、簿記2級、税務上級など20種類の金融系資格を保有。趣味は優待株投資と筋トレ。本業の傍ら、Kindle(電子書籍)作家としても活動中。著書に『図解 新NISA』『トクする株主優待の選び方』『最後のジュニアNISA』『絶対に続く筋トレ』などがある。