前編では、新NISAの前準備として「旧NISA(※)を使い切ること」が必要な理由を解説しました。後編では、旧NISAで投資する際の注意点や、証券アナリストである私の今年の投資プランをご紹介します。

※現行のつみたて・一般・ジュニアNISAを総称して「旧NISA」と表記しています。

■前編:「新NISAは『前準備』が超重要! 知れば得する2023年の動き方」

2023年は「特定口座での投資」は我慢

これまではとにかく「年内に旧NISAを徹底活用すること」をおすすめしてきましたが、ここで1つ注意して欲しいことがあります。それは、旧NISAの枠を超えた投資(特定口座での投資)をなるべく避けることです。

例えば、お子さんが1人いる方で、2023年に考えるべき優先順位は以下の通りです。

①つみたてNISA枠で投資(投資枠:40万円)

②ジュニアNISA枠で投資(投資枠:80万円)

理想は、上記のようにつみたてNISAを最優先で使い、余裕があればジュニアNISAでも投資をしていくことですが、上記の①②の枠(合計120万円)を両方使い切ったとき、もしかしたらこう考えるかもしれません。

「思っていたより投資って⾯⽩い! あと少しだけ投資してみよう」

もちろん、旧NISA枠以上に投資をすることは可能です。単に税⾦がかかるだけなので、枠外の投資が禁⽌されているわけではないのですが、ここで少しだけ我慢してください。

例えば、2023年に使う当てのない貯⾦200万円があったとします。そのうち120万円をつみたてNISAやジュニアNISAに投資したとして、余った80万円はどうするか。これは「そのまま貯⾦」がベストな選択です。なぜなら、2024年になってから新NISAの投資に80万円を使うことこそ、税制メリット的に正解だからです。

繰り返しますが、2024年からの新NISAでの非課税枠は元本1800万円まで。そんな中、2023年中に焦って投資額を増やす必要はありません。多くの⽅はかなりの年⽉をかけて新NISAで投資していくことになりますので、今後の投資人生を見据えて、ぜひ「2023年は旧NISA枠を使い切ったらそれ以上投資しない」という選択をしてみてください。