マスク氏買収でツイッターはどう変わった?

2022年のツイッター株式は、イーロン・マスク氏に振り回される格好となりました。アメリカの利上げが意識され株価が下落していたところ、4月にマスク氏がツイッター株式の約9%を取得したことが判明します。さらにマスク氏がツイッターの買収を表明したため、同社株式は大きく値上がりしました。

しかし7月、マスク氏は突如としてツイッター社の買収を撤回します。ツイッターが公表するアクティブ・ユーザーの数に偽アカウントやスパムの割合が相当含まれていると判断したためです。ツイッターはマスク氏に買収を進めるよう求めたものの、同社株式は急落しました。

マスク氏とツイッターは法廷で争うかとみられていましたが、一転して10月にマスク氏が改めて買収の意向を示しました。これを受けツイッター株式は値上がりし、同月27日に約440億ドル(約6兆4400億円)で買収が完了します。翌日からツイッター株式の売買は停止され、翌月に上場廃止となりました。

買収を終えたマスク氏は、早速ツイッターの改革に乗り出します。経営陣や従業員の大規模な解雇を実施し、ツイッターの仕様も相次いで変更しました。

【買収後のツイッターで行われた主な仕様の変更】
・ツイート閲覧数の表示
・タイムラインの時系列表示とおすすめ表示の切り替え簡素化
・認証マーク「ツイッターブルー」の有料化
​・投稿文字数の拡大

これらの変化がツイッターを発展させるか、現時点では分かりません。むしろ短期的には悪影響も出ているようです。買収後、同社の収益が大きく減少したと伝える報道が相次ぎました。矢継ぎ早に大きな変更がなされるツイッターに対し、広告を取りやめる企業が相次いでいるようです。

また、マスク氏は早くも将来の退任について言及しています。マスク氏は2022年12月、ツイッター上で自身の進退についてアンケートを取りました。「辞任すべき」とする結果が優勢だったことから、マスク氏は後任が見つかり次第退任することを表明しています。ツイッターを巡る混乱はまだ続くかもしれません。