物価の上昇、ガソリンの値段変動……。「金利の変動による日常の変化」にはどんなものがあるのか説明できますか? 大きな流れはわかっていても、“からくり”をしっかりと説明するのに言葉が詰まる人は少なくないはずです。

今だからこそ金利について知っておきたい、そう思いつつもなかなか踏み出せない! そんな声に話題の書籍​『図解 身近な「金利」と「お金」のことが3時間でわかる本』では、金利の役割や基礎について対話形式でかみくだいて解説。今回は特別に、第2章「金利入門」の一部を公開します。(全3回)

●第1回:ガソリン価格から世界情勢まで…知らないのは損!? 「金利」を見るメリット

※本稿は角川総一著『図解 身近な「金利」と「お金」のことが3時間でわかる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

金利は未来のお金との交換条件

――金利といえば、預金金利とかカードローンの金利、住宅ローン金利が思い浮かびますね。

たしかにそうだろうね。それ以外には銀行が企業に貸し付けるときの金利もある。そんな金利の元になっている、日銀が決める金利=政策金利もあるね。

さてそのほかにはどうだろう。とても大事な金利がまだ出てきていないんだけど。

――大事な金利ですか?

じゃあヒントを出そうか。日本の政府はこのところ毎年、税金が足りない。100兆円くらいの予算を組むのに、税収はせいぜい60〜70兆円くらいしかない。そこでどうしている?

――あ、そうか。国債を発行していますね。債券の金利も金利の1つなんですね?

そう。債券は一種の借用証書のようなものだね。これを発行して足りないお金を調達している。実は金融業界の中枢で働いている人やプロの投資家は、金利っていえばまず、債券の利回り、とりわけ国債の利回りをイメージするんだ。

ここではそんな金利ワールド全体を見渡しながら、そもそも金利ってなんだっていうことから話を始めよう。