金利は未来のお金を「人質」にすること!?
金利の本質を思い切って単純にいうと、現在のお金と将来のお金の交換条件なんだ。
――たしかに、今借りて、将来返すんですもんね。
「今、お金を借りる」というのは「将来、稼いだお金で利息を付けて返す」という約束との交換だ。つまり、銀行がお金を貸すということは、借りた人の将来のお金を人質に取るということなんだ。
こんな風に、お金の貸し借りという仕組みがあるからこそ、高額な消費ができる。住宅ローンがなければどうなるだろうね。やっとお金を貯めた! というときにはすでに65歳。で、実際にその家に住めたのは10年なんてことになりかねない。
つまり、お金の貸し借りがあるからこそ、今の多くの経済活動が成り立っている。この制度がなければ、トヨタ自動車だってパナソニックだって、アップルだってマイクロソフトだってこの世にはなかったよね。
これらを作った創業者の事業意欲を見込んで「お金はあるけどその生かし方がわからない人」がお金を貸したからこそ、いろんな産業が立ち上がってきた。そしてお金を貸す以上、貸している間は自分でそれが使えないんだから、相手から一定の対価を要求するのは当然だ。その対価が利息であり金利なんだよ。
●第3回(節約は利回りを得ているようなもの!? ユニークな角度から見る“割引”の意味)ではポイントサービスや割引など、私たちの日常に潜んでいる金利について解説します。
『図解 身近な「金利」と「お金」のことが3時間でわかる本』
角川総一 著
発行所 明日香出版社
定価 1,760円(税込)