物価の上昇、ガソリンの値段変動……。「金利の変動による日常の変化」にはどんなものがあるのか説明できますか? 大きな流れはわかっていても、“からくり”をしっかりと説明するのに言葉が詰まる人は少なくないはずです。

今だからこそ金利について知っておきたい、そう思いつつもなかなか踏み出せない! そんな声に話題の書籍『図解 身近な「金利」と「お金」のことが3時間でわかる本』では、金利の役割や基礎について対話形式でかみくだいて解説。今回は特別に、第2章「金利入門」の一部を公開します。(全3回)

●第2回:実は経済を発展させる立役者―「金利って何?」にズバリ回答

※本稿は角川総一著『図解 身近な「金利」と「お金」のことが3時間でわかる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

金利=損か得かを知るためのものさし

株式、債券、投資信託、不動産、金投資、FX(外国為替証拠金取引)。「儲け話」はどれも「金利・利回り」が共通のものさしだ。

そもそも投資とは、お金を寝かして(預けて)おけば一定期間後にどれくらい利益が得られるか、というのがポイントだ。

これは株式であろうと投資信託であろうと、FX、あるいは不動産投資でも同じこと。ということは、その投資がどれだけうまくいったのかは、「金利・利回り」というものさしで測ればいい。じゃあ、ここで金利を学ぶために、1つ問題を解いておこうか。

【問題】
Aさんは100万円株式に投資して3年後に110万円で売った。その間に3回、合計1万1000円の配当金をもらった。

Bさんは、銀行でローンを借りたうえで賃貸用アパートの不動産投資をし、5年後に同じ価格で売れた。

また、元本の15%に当たる賃貸料収益が得られた。どちらが上手に運用できたか?

――「元本を回収」……まず読み方からわかりません。

元本(がんぽん)というのは、投資の元手となるお金のことだ。

Aさんのように100万円、株式に投資したならその100万円のことだし、Bさんのように不動産投資のためにローンを借りてそれを全額不動産投資にあてたんだったら、実際に借りた額がそれに当たる。お金を増やすには、まず「元手」がないと始まらないので、ここは押さえておかなきゃならないね。

――はい。でも、Bさんはいくら借りたんでしょうね?

良いところに気が付いたね。そもそもBさんがいくら投資したか(元本)がわからないと解けないと思ってしまうよね。しかもAさんとBさんとは、投資した期間も違う。どうすれば2人の比較ができるだろうか?

実は、どちらが上手に儲けたかを知るんだったら「1年当たりで元本の何%の利益が稼げたか」がわかりさえすればいいんだ。つまり「率」だけがわかればいい。金額は必ずしも必要じゃないんだ。

――あ、そうか。これは気が付きませんでした。

Aさんは株式投資につぎ込んだ100万円で、10万円の値上がり益と1万1000円の配当が得られたんだから、儲けは計11万1000円だ。3年間で11万1000円の利益っていうことは、1年当たりでは3万7000円だ。これは、元本の100万円に対して3.7%に当たるよね。

一方Bさんの不動産投資はどうか? 5年間で元本の15%の利益が出たんだから、1年では3%だね。