・業界大手が免震ゴム不正データ改ざん…違法建築で入居者退去の大惨事

2001年3月16日、政府は月例経済報告において戦後初めて「デフレ(デフレーション)」を宣言しました。物価が持続的に下落する状態を指し、この日から日本は長くデフレと戦い続けることになります。

【消費者物価指数(総合、2000年=100)】

総務省「消費者物価指数」より著者作成

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しかし、近年は物価の上昇を指す「インフレ(インフレーション)」がよく報道されるようになりました。物価の下落や上昇がなぜ重要なのか、ここで押さえておきましょう。

なぜデフレが悪いのか

そもそも日本がデフレからの脱却を目指すのは、デフレは経済を悪化させる可能性が高いためです。

デフレ下では物の値段が下落するため、企業の売り上げが下がります。企業の売り上げが下がると従業員の給与にも下落圧力が働くため、賃金が下落したり非正規雇用が増えたりするケースが懸念されます。実際、非正規雇用の割合は上昇傾向にありました。

【正規雇用と非正規雇用の割合(1984年~2001年)】

総務省「労働力調査」より著者作成

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給与が下がると、家計の消費が減退します。またデフレ下では現在より将来の方が安く商品を買えるわけですから、消費が先送りされるかもしれません。これらによってさらに企業の売り上げが減少します。

物が売れなくなると需給の関係からさらにデフレが進展し、一連の流れが強まりながら連鎖的に起こります。これを「デフレスパイラル」と呼び、放置すると深刻な景気の停滞が起こりかねません。

これを断ち切るため、多くの国はデフレを避けるような財政支出や緩和的な金融政策を行います。日本でも2001年3月に初めて量的金融緩和(※)が行われました。

※量的金融緩和:市場に供給する資金量を大きくする金融緩和策