「株券発行会社」はなぜ危険?
株券の電子化は上場企業が対象で、未上場企業は対象外です。とはいえ、現在新しく設立される会社で紙の株券を発行する企業は少ないでしょう。法改正により、2006年5月以降に設立される株式会社は、原則として「株券不発行会社」となるためです。株券を発行する「株券発行会社」となるためには、定款にその旨を定めなければいけません。
定款に定めてまで、あえて株券発行会社になりたい企業は少ないでしょう。株券発行会社の場合、株券の移動をもって株式の売買が成立し、第三者が比較的容易に株主になれるためです。不測のトラブルが予想されるため、多くの会社は株券不発行会社を選択すると思われます。
しかし、法律の改正以前は株券発行会社が原則でした。会社の設立が2006年5月より前の場合、株券発行会社になっている可能性があります。法人を経営している人は、自社の形態がどのようになっているか一度確かめてみてはいかがでしょうか。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。