受け取り方は一時金が主流。 受け取り時に大事なポイント
最後は受け取り方についてです。商品選びの相談と同じく、相談内容として多いのが確定拠出年金の受け取り方です。
※その年に年金(一時金受給を含む)を受け取り始めた人の割合
受け取りの難しい所がここにあります。実は企業型や個人型の違いを参考にするのには注意が必要です。企業型DCの場合は、企業年金・退職金制度が確定拠出年金制度だけであれば、考え方はシンプルなのですが、退職金制度が複数組み合わせられていることも多く、全体で考えなければいけません。一般的には4つの制度があります。それぞれにルールもあります。
この退職金をどう受け取るかの整理は、個人的には好きな相談の一つなのですが、簡単にポイントをお伝えするなら、(1)運用方針と(2)退職金額と(3)退職金税制の3つの軸から考えていきます。
ご自身が個人型等で運用されたいか、企業年金の方で運用をしたいかが大きなポイントにはなりますが、運用方針をもとに税制や必要資金を考慮し【年金】と【一時金】の割合を考えていきます。
ちなみに退職金の受け取り時には、“退職所得控除”という退職金に税金が掛かりにくくなる仕組みがあるので、“退職所得控除”を利用するため一時金で受け取られる方が多い傾向にあります。
ただ、退職されたあとに来られる相談者の多くは、税制だけに着目して受け取ってしまい、預金のまま眠っている退職金について相談に来られているのです。結果的には方針を決めることができると安心されるのですが、企業年金・退職金を受け取る前に制度をもっと活用しておけば、より安心できる仕組みが作られるので、しっかりと事前準備をしていただければと思います。
今回は、確定拠出年金に加入されている方のデータを解説してみました。加入されているみなさんの個々の環境は違いますので、データ通りに考えるだけではいけないのですが、参考にしていただければと思います。