・人気の投資先が国内初の破綻…それでも資産を増やせた人がしたこと

多くの国で10月17日が「極貧に打ち克つための世界デー」に制定されていることに着目したフランスを拠点とする非政府組織(NGO)「国際運動ATD第4世界」の発案により、1999(平成11)年12月の国連総会で、10月17日を「貧困撲滅のための国際デー」とすることが宣言された。

失われていくかつての豊かな日本の姿

高度成長期の1970年代には、日本国民の大多数が自分を中産階級と考える傾向が強く、「総中流社会」という言葉があった。しかし、時と共に人々の意識も変わる。NHK文化放送研究所の調査によると、日本での所得格差が大きいと思う人は1999年の64%から2019年には69%と確実に増加しており、変化が明らかだ。

社会における不平等さを測る指標である「ジニ係数」を見ても、日本の所得格差は進んでいる。「ジニ係数」が0の場合、全員の所得が同じである完全平等を意味し、1の場合は完全な不平等とする。2019年の日本は0.33と、フィンランド(0.27)やノルウェー(0.26)、デンマーク(同)などに引き離され、先進国での格差社会と目されるアメリカ(0.40)の背中が見え始めている。

背景には、かつての勢いを失っている日本の経済力がある。国際通貨基金(IMF)によると、2021年の名目国内総生産(GDP)は米ドルベースで約4兆9千億ドルであり、円安の影響もあって10年前から21%も減少した。この間に主要7カ国(G7)で縮小したのは日本だけだ。

経済の推進役である企業の新陳代謝が進展せず、企業の生産性が高まらないことが国全体の経済力にも大きく影響している。また、労働市場が閉鎖的で生産性の高い分野への人材シフトが進まないことも経済の活性化を阻害している。

従業員に対する教育・訓練等への投資が諸外国に比して不十分なことも要因だ。日本生産性本部が経済協力開発機構(OECD)の38参加国を調査したところ、日本の被用者1人当たりの労働生産性は下落し続け、2020年には28位と、2000年の20位からさらに後退した。