9月のダウ平均株価
ダウは米国主要業種を代表する30銘柄で構成された指数です。
全てのセクターが下落するなかで健闘したのが米保険大手ユナイテッドヘルス・グループです。その要因となったのが医療関連データのプラットフォームを手掛けるチェンジ・ヘルスケアの買収にあたり、米司法省から買収阻止の訴えがあったものの、9月20日に裁判所がユナイテッドヘルス・グループによる買収を承認したことがプラス材料となったためです。
・ダウ平均株価 28725.51ドル(9月30日時点)
9月のS&P500
S&P500は上場する企業の中で代表的な500社を組み入れて構成された株価指数です。米国経済の現在地を最も正確に表した数字といえるでしょう。
構成銘柄の中で健闘しているのがアップルです。これはマーケットが下落する中で個別株投資をする投資家のリスクヘッジ先としてアップルが選ばれていることを強く印象付けた動きといえるでしょう。また最新のiPhone14の製造をインドで開始することを発表し、生産拠点を中国以外にも分散する動きを見せていることもプラス材料です。
・S&P500 3585.62ポイント(9月30日時点)
9月のナスダック
ナスダックは主にハイテクセクターやネット企業の動向を知る重要な指標です。GAFAMを中心に米国経済を牽引するテクノロジー企業が組み入れられています。
構成銘柄のなかではテスラが健闘しています。これもアップル同様に下落相場の厳しいマーケットのなかで長期的な成長が見込まれるテスラ株に投資家の資金が集まったことが大きな要因です。今後もリスクヘッジ先の個別株としてテスラの人気はしばらく続くのではないでしょうか。
・ナスダック 10575.62ポイント(9月30日時点)
9月のFOMCの結果
「CPIショック」を受けて9月の米国マーケットで最も金融関係者の注目を浴びたのがFOMCでした。冒頭で述べたように「0.75%」の利上げが継続されたことに加え、FRBパウエル議長は会見のなかで利下げをするタイミングは「インフレが2%へと戻ることを確信したあと」と発言しました。これによりFRBが最優先すべき課題はやはりインフレ退治であり、たとえ米国の景気が厳しくなろうとも利上げを断行することがハッキリしたことで、FOMC後からマーケットの売りが加速する展開が続いています。