6月の米国株マーケットも下落相場が続き、投資家にとって長く厳しい月となりました。
その大きな要因となったのが6月14、15日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)です。米国経済にとって最大の課題であるインフレ問題の解決に向けたFRBの利上げ対応をめぐって、市場関係者の間でも現行の0.50%の利上げなのか、さらに引き上げた0.75%になるのか、様々な憶測が飛び交いました。
通常、FOMC直前の時期は不測の事態に備えてリスクヘッジをする投資家が増加します。具体的には保有株式の一部を売却してキャッシュポジションを多くするため、マーケットも“ギクシャク”した展開になることが多く、今回も大方の予想通りFOMCが近づくにつれて米国株マーケットも下落していきました。そして6月15日のFOMC閉会後に0.75%の利上げが発表されました。これにより中央銀行が一般の銀行に貸し付ける際の金利である政策金利が1.5~1.75%となりました。
またFOMCに際して、世界中の金融関係者や投資家が注目していたのはFRBパウエル議長の発言です。特に印象的だったのは、ウクライナ危機など、先行き不透明な状況が長期化することはインフレ問題にさらなる影響を及ぼす可能性があり、そうした部分に対しては“FRBでもコントロールすることができない”と繰り返し説明していた点です。
それに加えて6月28日に発表された個人消費の先行指標である米消費者信頼感指数は予想100.4に対して結果98.7でした。これは2021年2月以来の低水準であり、インフレが消費マインドに悪影響を与えているとの見方が強まり、指数の発表直後から米国株マーケットは売りが先行する展開となりました。
こうした一連の流れからも、マーケットに影響を与えている最大の要因がインフレであることをあらためて実感した投資家の方も多いのではないでしょうか。
そんな6月のダウ平均株価、S&P500、ナスダックの動きを振り返ります。