スマートフォンやパソコンなど情報端末の普及とともに、現代は情報過多ともいえる状況となりつつあります。その状況の訪れは資産形成や投資の分野も例外ではありません。
玉石混交ともいえる情報が氾濫している中、自身の資金プランや投資行動においてどの情報を参考にすればいいのかと困惑した経験のある人は少なくないでしょう。
小倉健一氏の著書『週刊誌がなくなる日 -「紙」が消える時代のダマされない情報術 - 』では、メデイアを取り巻く昨今の環境についての詳細から、自分に必要な情報を取捨選択する力を磨く方法まで解説されています。今回は特別に、第3章「儲かるメディア、死ぬメディア」、第4章「デジタル化で起きる大問題」の一部を公開します(全3回)。
※本稿は小倉健一『週刊誌がなくなる日 -「紙」が消える時代のダマされない情報術 - 』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
「ドラゴン桜2」から読み取れる読解力の重要性
2021年4月から日曜日の夜、受験生やその親が注目するドラマが放送された。最高視聴率が20%を超えたTBSの「ドラゴン桜2」である。
俳優の阿部寛さんが演じる「桜木建二」、長澤まさみさんの「水野直美」という弁護士2人が独特な指導方法によって生徒たちを東大合格に導く学園ドラマだ。英語でタップするユーチューバーやツイッターで英語日記を書く生徒たちは「スタディサプリ」も活用しながら学習を進めていく。
2005年の前作から16年後の続編は、時代の進化に合わせた勉強法が目立ち、桜木の「お前の道は、お前が決めろ」「時代に負けるな 今こそ、動け!」は受験に備える親子の心を打つ名台詞となった。
この中に登場する国語の特別講師、安田顕さんが演じる「太宰府治」はとりわけユニークだ。普段はメンタル不調を抱えているような落ち込む姿が目立つものの、「対比関係」「因果関係」「同等関係」など読解の大切なポイントを教える時は鬼気迫る表情に急変し、核心を突いたメッセージを送る。
桜木が「東大合格の鍵は読解力だ!」と檄を飛ばすシーンは、デジタル時代に限らず、人間にとって重要な能力とは何かを教えてくれる。