・アメリカの“一声”で「円高」に転じる日本…バブル再来の鍵も握る?

事業環境が変わると、大手企業であっても倒産してしまうことがあります。ユニークなテレビCMで話題を集めた「武富士」もその1つです。かつて業界トップクラスの消費者金融会社でしたが、貸金業を巡る最高裁の判決と法改正のために業績が悪化し、経営破綻しました。

9月28日は武富士が破綻した日です。今日は武富士が破綻した経緯について確認しましょう。

東証1部の大手消費者金融が破綻

武富士は消費者金融の大手でした。消費者金融とは、主に個人向けに無担保でお金を貸し出すサービスのことをいいます。武富士は申し込みからわずかな時間で資金を貸し出すサービスを武器に積極展開し、ピーク時には4000億円を超える売上高を築きました。1998年には東証1部への上場を果たしています。

しかし2006年12月に貸金業法が改正され、個人への貸し出しが厳格化されました。武富士の無担保ローンの融資残高は2005年5月におよそ1兆6400億円ありましたが、2010年8月には約4800億円にまで減少します。貸し出しが減少したことで収益も悪化しました。さらに利息の返還請求も増加したことから、武富士は自主再建を断念し、2010年9月28日に会社更生法の適用を申請します。負債総額4300億円を超える大型の倒産となりました。

経営破綻が市場に伝わると、武富士の株式は急落します。それまでおよそ150~200円で売買されていましたが、9月末には株価が1桁台になるまで売り込まれました。武富士は2010年10月29日に上場廃止となり、前日の最終株価はわずか1円でした。

【武富士の株価(2010年9月~10月)】

MINKABUより著者作成

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