相続税を払えない!
松野さんが調べてみると、もしもアパートを買っていなければ相続税は1000万円近くになるところだったので「本当にアパートを購入していてよかった」と思いました。
ところが「いざ相続税を払おう」という段になると、大きな問題が発生したのです。
相続税は「現金一括」で払わねばなりません。しかし松野さんたちの場合、遺産内容はほとんどが不動産で、現金が手元になかったのです。
松野さん本人には500万円もの貯金はありません。かといって実家には住まねばならないので売れませんし、アパートもすぐに売るのは難しい状況でした。松野さんは「アパートを売って相続税を払おう」と弟に打診しましたが、弟は「アパートは相続して賃料収入を得たい」という意向であり、売却の合意がとれなかったのです。
弟にしてみると、「兄は実家をもらえるけれど自分は不動産をもらっていないから、アパートの権利の共有分だけでも欲しい」と考えている様子でした。
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