不動産投資を行う際には、できれば「利回りが高いほうが良い」と考えるものです。しかし不動産会社が提示する「(表面)利回り」をそのまま信用すると、大きな不利益を受けてしまう恐れがあるので注意しなければなりません。

表面利回り通りに収益を得られるケースは少数です。実際に受け取れる収益を知るためには、自分で「実質利回り」をシミュレーションして予測する必要があります。

今回は不動産会社の「表面利回り」を信用して大損してしまった箕輪さん(仮名、30代男性)の体験談をもとに、不動産投資の「利回り」に潜むワナについて解説します。

箕輪さん(30代男性)のケース

箕輪さんは上場会社に勤める会社員です。給料は世間一般より高めですが、家族もいるのでさほどの余裕はありません。以前から「FIRE(早期リタイア)」に関心を持っており、できれば不動産投資などを行って早めに会社を辞められればと夢を描いていました。

妻とも時々そういった話をして、「2人でFIREしたいね」などと話していたところでした。

FIREに向けて投資に関心を持つ

箕輪さんの勤務先には不動産関係会社からの営業も多く、しょっちゅうワンルームマンション投資などの勧誘が来ていました。

ただ箕輪さんも多少の知識を身に付けており、会社員による安易なワンルームマンション投資には危険があることは知っていたので、そういった勧誘には関心を持ちませんでした。

「不動産投資を成功させるには、自分で調べなければならない」という意識は持っており、「自分は悪質業者には引っ掛からないはず」という自信も持ち合わせていたのです。