長期化するコロナ禍がサプライチェーンへ与える影響や、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な資源不足の影響を受け、インフレが深刻化している。加速するインフレを抑制するために米国のFRB(連邦準備制度理事会)は、7月27日に米国の政策金利であるFFレート (フェデラル・ファンド金利) の0.75%引き上げを決定した。6月にも0.75%の大幅利上げを実施したばかりである。

米金利が上昇すると、他の国々も利上げの動きを見せることもある。米国の世界経済へ与える影響は大きいため、投資家はぜひ金利動向をチェックしておきたい。そこで今回の記事では、米国で大幅利上げが行われた背景や、注目ポイントについて解説していく。

FRBが3月から大幅利上げを継続して実施

今年3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、2018年12月以来、3年と3ヵ月ぶりとなるFFレートの引き上げが行われている。これに伴って、新型コロナウイルス流行拡大で大きな打撃を受けた経済支援対策として2020年の3月にスタートさせた米国のゼロ金利政策は解除となった。

以降、3回のFOMCが開催されているが、毎回連続して利上げが行われており、世界中から大きな注目を集めている。

今回の一連の動きで特に話題となっているのは、利上げ幅の大きさだ。通常、FFレートを引き上げる際には、一度に0.25%ずつ徐々に上げていくことが基本とされている。3月のFOMCで決定された利上げ幅も0.25%であった。

しかし、それ以降のFOMCでは大幅な利上げに踏み切っている。5月には、2000年5月のドットコム・バブル期以来、22年ぶりに0.5%の利上げを実施。それだけに留まらず、6月、7月には1994年11月以来、実に27年7ヵ月ぶりとなる0.75%の利上げが連続して行われたのだ。