ペースは減速しても、今後も利上げは続く見通し

年初はゼロ金利の状態であったが、連続して急激な利上げを行ったことで7月時点のFFレートの誘導目標は2.25〜2.5%まで上昇した。この数値は景気を加速も減速もさせない「中立金利」の水準とされている。FRBは、ひとまずこの中立金利の水準にまで金利を引き上げることを目指して急ピッチで利上げを進めてきたのだ。

目標としていた中立金利まで利上げは進んだが、7月のFOMCの議事録では参加者全員が「さらなる金融の引き締めが求められている」という見解を示したと記されている。そのため、2022年に開催が予定されている残り3回のFOMCでも引き続き利上げが行われる可能性は高いだろう。

ただし、参加者全員が「どこかの時点で利上げのペースを減速させることが適切」という意見で一致している。そのため、ここまで見せてきたような大幅な利上げが再び実施されるかどうかを予測するのは難しい。

また、7月のCPIは8.5%と、市場予測の8.7%を下回る結果となった。前月と比較して上昇率が鈍化していることから、インフレ率がピークを過ぎたという見方をする投資家もいる。

このような現状に対して、次回9月に開催されるFOMCで米金利がどのような動きを見せるのか、関心が集まっている。