市場が金利上昇を織り込んでいるかが重要

株式も債券も、金利が上昇する局面では価格が下がる傾向にある。今回のように上昇する利幅が大きければ大きい程、そのインパクトも強くなるのが一般的だ。

しかし、7月27日にFFレートが0.75%利上げすると発表された後でも、米株式市場は全体的に上昇傾向にあり、金利上昇によるマイナスの影響は見られなかった。

これは、大幅利上げの決定を市場が前もって織り込み、株価に反映されていたためだ。FRB議長のジェローム・パウエル氏が、7月にも大幅な利上げの実施継続を示唆する発言をしたことなど、市場が利上げを織り込む材料となる情報は多く出されていた。

また、発表以前には1%という大規模な利上げ幅になると予想する意見も多く出ていた。金利が1%上昇すると予測していた人からすれば、0.75%の利上げ幅に収まったことはむしろプラスの要素となったと考えられる。

このように、金利の動きを予測するためには、一般論だけでなくその時の経済情勢や市場の動きなど様々な情報を踏まえることが重要だ。前月のCPIや失業率などの動きに着目しておけばFRBの考えを予測する根拠となる。

また、FOMCが行われた3週間後に公開される議事録も、今後の動きを予測するための有用なツールだ。議事録を読めば、FOMC参加メンバーの見解が見て取れるため、今後の動向を知る手がかりになるだろう。

次回のFOMCは9月20日から21日にかけて開催が予定されている。利上げに関わる重要な指標である8月のCPI発表後の開催となるので、開催前にそのような指標を確認した上で、米金利がどのような動きを見せるのか注目してみよう。