つみたてNISAでの運用に制限がある点に注意

ETFやREITではいくつか注意すべき点もある。

1. つみたてNISAで投資ができる証券会社がほとんどない
2. 銘柄の数が少ない
3. REITでは複利効果を得られない

まずは、つみたてNISAについて留意すべき点がある。つみたてNISAでETFを取り扱っている証券会社は、2022年7月時点で大和証券のみ、扱っている商品もわずか8種類である。ほかの証券会社でつみたてNISAを利用している投資家にとっては、つみたてNISAの枠でETFを始めるのは難しい。

また、REITに至っては特化した商品がそもそも見当たらない。つみたてNISAでREITを運用したい場合は、バランス型の商品の中から不動産投資を行っているものを選ぶ形になる。なお、一般NISAであればETFもREITも購入できるので、切り替えを行えば非課税枠で投資できる。

次に、ETFもREITも非上場の投資信託と比べて商品の種類が少ない。投資信託協会によると、2022年6月の投資信託の数は約5900種類だ。しかし、2022年7月の東京証券取引所に上場しているETFは267種類でREITは61種類と、ラインナップには圧倒的な差がある。

最後に、REITへの投資では複利効果が得られない。複利効果とは、運用で得た収益を再投資することで、利息が利息を生む効果である。前述したように、REITは利益のほとんどを分配金として支払う仕組みのため、株式などへの長期投資で得られるような複利効果を得ることができないのだ。

ETFとREITはいずれも市場に流通している金融商品であり、これまで投資信託しか購入してこなかった投資家の「次」の投資対象としての魅力がある。資産をさらに分散して投資をしたい場合は、選択肢として活用したい。

 

文/中曽根 茜(ペロンパワークス)