ビルからホテル、老人介護施設まで! 多様な不動産に投資できるREIT

REIT(Real Estate Inxestment Trust)とは、投資家から集めた資金で不動産に投資し、それに伴う賃貸料収入などを投資家に還元する金融商品だ。アメリカで生まれた仕組みであり、日本のREITは正確にはJ-REITと呼ばれる。投資対象とする不動産は大きく分けて以下の6つに分類され、それぞれにリスクやリターンの特徴が異なる。

1. オフィスビル
2. 商業施設
3. ホテル
4. 住宅
5. 物流施設
6. ヘルスケア施設

オフィスビルは立地や設備次第で高い収益性が見込める。ただしオフィス需要は景気動向の影響を受けやすく、安定性はあまり高くない。

商業施設型には商業ビルやテナントビル、ショッピングモールなどが該当する。テナントの売上に賃料が連動する傾向にあり、景気動向の影響を受けやすい。郊外の施設などは長期間の一括借り上げが多く、賃料収入が安定しやすい場合もある。

ホテルや旅館、リゾート施設などは旅行客や観光客がターゲットとなるため、好景気の時は非常に高い運用利回りが期待できる。ただし、今回のコロナ禍のように社会経済の影響を受けやすいうえに、ホテルの運営会社の経営手腕に業績が左右されやすい傾向もある。そのため、6種類の中でも最もハイリスク・ハイリターンと言われている。

住宅や物流施設は、生活に密接な関係があるため景気の影響を受けづらい特徴がある。賃料収入はが上がりづらいが、不景気の時も分配金が安定している点がメリットだ。

老人介護施設などのシニアリビング施設や、病院などの医療施設が含まれる。ヘルスケア施設は1物件あたりの投資金額が比較的小さいものの、長期的な賃貸契約を結ぶことが多いため、分配金も比較的安定する傾向にある。

実際のREITは特定の用途に特化した単一の不動産に投資する「単一用途特化型」と2種類の用途の不動産に投資する「複合型」、3種類以上に投資する「総合型」の3つのタイプがある。複合型や総合型では、上記の6種類の商品のうち複数を組み合わせ、リスクを分散した運用を目指しているのだ。