金利は消費者金融をはるかにしのぐ109.5%

質屋の利用で注意したいのは金利です。質屋は、カードローンなどを提供する消費者金融などより高い金利の設定が法的に認められています。

なぜ質屋は高い金利を設定できるのでしょうか? 順を追って確認しましょう。

まず、カードローンなどのサービスを提供する消費者金融は貸金業者といい、利息制限法によって年20%を超える金利を設定してはいけないと定められています。ここでいう貸金業者とは、貸金業法にのっとって財務局や都道府県に登録している業者をいいます。

【貸金業者の上限金利】
・元本10万円未満:年20%
・元本100万円未満:年18%
・元本100万円以上:年15%

出所:日本貸金業協会 貸金業法について

一方、質屋は貸金業者ではないためこの規定は関係ありません。しかし出資法においても、業として金銭の貸し付けを行う場合、年20%を超える金利には罰則が定められています。これらを考えると、やはり年20%を超える金利は設定できないようにも思えます。

【出資法第5条2項(一部抜粋)】
……金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

出所:e-GOV法令検索 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律

ところが質屋の場合、質屋営業法によって出資法における同規定の「20%」の部分を「109.5%」と読み替えるよう規定されています。この定めにより、質屋は年109.5%まで金利を設定できるのです。109.5%は、貸金業法が定める上限金利(20%)の実に5.4倍以上にもなります。

【質屋営業法第36条1項(一部抜粋)】
質屋に対する出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(※)……第五条第二項の規定の適用については、同項中「二十パーセント」とあるのは、「百九・五パーセント……」……とする。

※いわゆる出資法
​出所:e-GOV法令検索 質屋営業法

法的に認められているからといって、全ての質屋が高い金利を設定するわけではありません。また、質屋の金利は一般に預け入れる品物や借りる金額などによっても変動します。これらから、一概に質屋が消費者金融などと比較して高金利ともいえません。

ただし、継続的な利用は避けた方がよいでしょう。これは消費者金融にもいえますが、金利から計算される利息は借入期間が長くなるほど大きくなります。質屋や消費者金融の利用は必要最低限にとどめておくようにしましょう。