資産運用業界の人は仕組債に投資している?

ここまで仕組債の仕組みや問題点について説明してきました。まとめると、「投資家が今後その仕組債の参照資産が大きく上昇/下落しないとみているのであれば、仕組債は良い投資商品かもしれませんが、大きく上昇/下落する可能性があるとみているのであれば適さない」となります。また、投資を検討する際、直接的ではないですが、年率で8%程度の手数料を払うことになるということも念頭に置いておいてください。

とは言え、そんな明確な見通しを持っている一般の投資家は少ないと思います。「ここまで読んだけど、結局どうしたらいいの?」と思っている人も多いでしょう。そういう意味では、資産運用業界で働いている我々が、「自分自身の長期の資産形成で仕組債を活用しているか」という情報は参考になるのではないでしょうか。

結論を一言でいうと、私や私の周りにいる資産運用業界関係者の中では、自分の資産を仕組債に投資しているという話は聞いたことがありません。私が知る限りでは、業界関係者のほとんどは、コストの低いパッシブ・ファンドと魅力的なアクティブ・ファンドを組み合わせ、しっかりと資産分散・時間分散をしています。たんたんと基本を実践しているイメージです。もちろん、これが正しい答えと断言はできませんが、皆さんの参考にはなるのではないでしょうか。