日本を代表する「日経平均株価」と「TOPIX」
米国で代表的な主要3指数を紹介したが、日本では、日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)の2つが代表的で、日本経済の動向を表す重要指標だ。日経平均株価は、日本経済新聞社がプライム市場上場企業から選んだ225銘柄で構成される。「日経平均」「日経225」などと表現されることも多い。
一方、TOPIXは東京証券取引所のプライム市場に上場する全銘柄が対象となる。時価総額を指数化して株式市場全体の動きを表している。
2022年4月に東証の市場区分が再編され、プライム、スタンダード、グロースの3市場に変わった。日経平均はソフトバンクグループやファーストリテイリングのような1株当たりの価格が高い「値がさ株」の動向が、日経平均全体の価格変動に大きな影響を与える。そのため正確に日本企業全体の動向を反映しづらいのではないかとの見方がある。一方で、TOPIXはプライム上場の全銘柄が対象だが、数十億円から数十兆円の銘柄まで入り交じり、玉石混淆との批判もあった。それが、市場再編の理由の1つにもなっている。今後は、流通株式時価総額100億円未満の銘柄については、組み入れ比率を2022年10月から2025年1月末までに段階的にウエートを減らしていく予定だ。
指数は世界の株式市場で毎営業日算出され、公表されている。世界の株式市場の動きを比較しやすく、値動きに注目すれば各国の経済動向や企業の様子が見えてくる。
新型コロナウイルス感染症の影響で、世界の中央銀行や政府は大規模な金融緩和や財政政策を打ち出した結果、米株市場を中心に株式市場には大量のお金が流れこみ、株価は軒並み上昇の動きを見せた。米国では加速するインフレを抑えるため、FRBが利上げを進める。ここにきて、これまで好調だった米株市場の動きが停滞気味だが、短期目線で一喜一憂するのではなく、長期目線で見守る程度がちょうど良いのだろう。
執筆/招福亭たぬき
金融、経済ライター。マクロ経済や金融全般の執筆に定評がある。仕事を通じ金融の面白さに気づき、日々勉強中。最近ではつみたてNISAやiDeCoなど自身の資産形成にも関心を広げている。将来、活動の軸をYouTubeやInstagramに移し、いつかFIREを実現したい…と夢見る