米新興企業向けの「ナスダック総合指数」

ダウに続いて、代表的な米株指数がナスダック総合指数(NASDAQ Composite Index)だ。ナスダックとは、1971年に開設され全米証券業協会が開設・運営している新興企業向けの電子株式市場を指す。3000社以上が上場し、新興企業とはいえ、GAFAMと呼ばれるグーグル(アルファベット)やアップル、フェイスブック(メタ)、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、ネットフリックス、テスラなども上場している。また米企業だけではなく、任天堂や日産自動車をはじめとする日本企業もたくさん上場している。

ナスダック総合指数は、このナスダック市場の全ての上場銘柄を時価総額加重平均で算出した指数で、1971年に算出が始まった。2004年1月1日以前に他の米市場に上場していないことが構成銘柄の条件となる。

ナスダック関連指数としてはナスダック総合指数以外に、ナスダック100と呼ばれる指数もある。3000を超える上場銘柄のうち、特に世界を代表する上位100銘柄を集めたものだ。GAFAMなど世界中に広がる生活になじみのある製品やサービス提供企業から、ITやバイオテクノロジー関連など最先端の技術を持つ企業まで幅広い。米国企業に限らないため、世界を代表する指数としてより正確に時流が反映される特徴もある。

NY市場の時価総額75%を占める「S&P500」

そして3つめの米代表指数がS&P500種指数(Standard & Poor‘s 500 Stock Index)だ。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表している。米国で時価総額の大きい代表的な500社で構成する時価総額加重平均型の株価指数。ニューヨーク市場の時価総額の約75%をカバーする。市場全体の動きを示す指標として機関投資家などに広く利用されている。

ナスダック総合指数との大きな違いは、米国企業に限定される点にあるといえる。 S&P500種指数はニューヨーク証券取引所、NYSE American、ナスダックに上場している企業から選ばれる。構成銘柄は定期的に見直される。

主要3指数の中で、ダウは最も歴史があり、伝統的な米国を代表する主要30社で構成される。ナスダック総合指数やS&P500種指数には新興銘柄が多いのに対して、ダウはボーイングなど歴史のある重厚長大型の企業が多い。

一方で、ナスダック総合指数やS&P500種指数には、GAFAMを筆頭にハイテクやIT関連株が多く、投資家からの人気も高い。この米国株式市場の下落相場では、そういったハイテク関連株が大きく値を下げ、市場心理を悪化させた。