5月の米国株マーケットも下落が続く厳しい月となりました。実際、5月20日にはS&P500が一時的に年初の高値からマイナス20%を付け(終値ベースでは免れましたが)、弱気相場入りを意味する「ベアマーケット」に突入しました。

ベアマーケット入りすると景気後退(リセッション※)のリスクが大きくなるので、マーケットの警戒感が高まります。また株価というものは常に将来を織り込んだ数値が反映されるため、先の見通しが暗くなったことで株価下落に拍車がかかりました。筆者自身、これだけ毎週のように下落が長く続いたマーケットは投資家人生の中で経験がありません。そして、この長期に渡る下落期間においてマーケットが何を言っているのかというと、米国経済は今後高い確率で不況がやってくるということです。投資家としては不況のサインに耳を傾けることが今後重要になるのではないでしょうか。それはつまり今後の不況シナリオに備えた投資戦略が必要になることを意味しています。

※リセッションについては2022年4月公開の「米国株マーケットの見通し―短期的には強気でも“リセッション”をどう織り込むかに注目」をご参照

とはいえ、悪いニュースばかりではなく、5月27日に発表された4月の個人消費支出は市場予想の前月比0.8%増に対して、結果は前月比0.9%増でした。個人消費は急速に減退していないことからマーケットに安心感が広がり、米国株は再び上昇し株価の底入れを探るような展開も見せています。

このように5月の米国マーケットは目まぐるしい展開となりましたが、ベアマーケット入りしたことで、2020年3月のコロナショック以降、基本的には右肩上がりで上昇が続いた米国株にとっての転換点となったことは間違いがありません。今後は新たな“モノサシ”でマーケットに向き合う必要があることを暗示した月といえるのではないでしょうか。

そんな5月のダウ平均株価、S&P500、ナスダックの動きを振り返ります。